通学路の安心・安全! 危険個所の「見える化」を要望(令和3年 12月議会)
2021.12.20
令和3年8月。千葉県八街市において下校途中の児童の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、児童5人が死傷するという痛ましい事故がおきました。この事故を受けて、9月に全国で通学路の緊急一斉点検が実施され、市川市では184カ所が対策必要箇所として挙げられました。
市川市では、通学路の安心安全対策として、市の交通安全プログラムに基づき、毎年十数校ずつ4年間で全小学校をカバーする計算で通学路の危険個所の改善要望を出させ、教育委員会、学校による合同点検を実施し、必要に応じた安全対策を講じています。
学校現場にいた時の事を思い返してみますと、改善要望はかなり尊重されるのですが、高額の予算が掛かるものや、信号機設置等の千葉県公安委員会との調整が必要なものは先送りされたり、断念したりしなければならず、歯がゆい思いをしたこともありました。
さて、今回市川市では対策必要箇所として184カ所を挙げられましたが、私はとても多いように思いました。なぜかといいますと、市川市は、先ほどお話ししました通り、全小学校を4年間でカバーする計算で通学路の危険個所を把握し改善しているわけですから、全38校で184カ所ということは一校当たり4カ所か5カ所ということになり、4年に一度、改善要望を提出している市にしては多すぎないか。抽出した危険個所の安全対策は的確に進められているのか。こんな心配が浮かび上がりました。
また、今回の八街の事故の要因を振り返ってみると、大一義的には飲酒して運転するという加害者の非にありますが、第2の要因としては、通学路上の危険個所を放置していたことが挙げられます。事故現場は危険個所として認識され、再三ガードレールの設置を要望されていながら、用地の確保等の高額な費用がかかるため、財政難を理由に先送りされ続けていたとのことです。学校としてはあきらめてしまったのでしょうか、今年は要望としても挙げていなかったそうです。
今回の議会では、9月の緊急一斉点検により挙げられた184カ所と、4年に一度の改善要望により抽出された危険個所との関係について伺いました。
答弁では、4年に一度の改善要望により抽出された危険個所は適宜安全対策を講じていること。また、184カ所には、以前に安全対策を講じた箇所の効果が低下し改めて要望されたものや、根本的な改善ができていない箇所も含まれているとのことでした。
改善要望により抽出された危険個所は適宜安全対策を講じており、数が多くなったのは効果が低下した箇所を改めて希望したためとのことでホッとした半面、やはり根本的な改善ができていない箇所もあることがわかりました。
そこで、根本的な改善ができていない箇所への対応について尋ねたところ。教育委員会と学校で情報共有を図り、危険個所としての認識については年度を超えて継続していくとの答弁をえました。
さらに、根本的な改善ができていない箇所のうち、道路拡幅や交差点改良が必要な個所への暫定的な措置として、カラー舗装等の、運転者に対して危険個所としての注意を促すような市川市独自の「見える化」を図ることはできないか伺ったところ、「通学路 児童に注意」等の電柱幕や路面標示、カラー舗装などを行って、この区間が危険で要注意箇所であることの見える化に努めるとの答弁を得ました。
危険個所として認識されながら安全対策が先送りされ放置されて、改善は難しいと諦められてしまうことが一番怖いと思います。このようなことに陥らないよう、根本的な改善ができていない危険箇所の「見える化」を進める等、安全対策を注視していきます。